2015年10月30日金曜日

アゲハの蛹2(虫写真注意)

アゲハのサナギが窓枠についてしまった件の顛末です。
がっつり蛹の写真が出るので苦手な方はスルー推奨。



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8月30日(日)
夜、外出から帰って、窓枠にぶら下がる蛹に気付いたのは夫でした。きれいな黄緑色の蛹で、調べるとどうもナミアゲハの蛹のようです。でもアゲハは柑橘の葉を食べるし、家には柑橘はないし、仮にナミアゲハだとして、いったい何を食べて育ったのか???ここが詰められず、ナミアゲハではない物の可能性も捨てきれないのでした。家の夫婦は二人とも蛾が驚異的に苦手。あの地味な色合いのふっさりした触覚やふっくらとした腹を想像するだけで思わず体が折れるほどダメなのです。万が一の事があったらどうしよう、と怯えつつ、観察記録が始まりました。友人の子がとても虫好きなので、極力日刊サナギちゃん通信と銘打って極力デイリーメールまで送ることに。


下から見たところ。



9月1日(月)
あまり様子は変わりません。ここにぶら下がられると窓の開け閉めに気を使うので移動させようと方法を調べたのですが、蛹の移動に失敗した人のブログを読んで震え上がり、不便を飲み込んで生活する方針にしました。よく見かける写真では、立っている植物の茎にくっついて蛹化している場合が多いのに、家のサナギちゃんは頭を下にしてぶら下がっており、頭に血が上らないのか不安になります。

 


9月2日(月)
本体に変化はあまり見られませんが、なんとなく乾燥して締まったような印象を受けました。私は蛹の中で変体している最中の虫は眠ってるのだと思っていたのですが、夫によると起きているのだそうです。蛹をつつくと、むにっと動いたりするらしいです。それは怯えてもがいてるんだよね、と思いましたが、まあそういう事だそうです。かわいそうでサナギちゃんはつつけませんでした。しかしあのすさまじい体の変化が意識が明瞭な中で進むというのはどういう気持ちなんでしょうか。痛かったり痒かったりしないのでしょうか。想像を絶する変化ですよねだって・・・



9月3日(水)
朝の明るい中で写真を撮ってみました。お尻にたまっている塊は糸と共に体を固定する糊のような役目と聞いたたのですが、なんなんでしょう。なんか蜘蛛のような物が中にいるように見えます。一瞬、地蜘蛛?と思ったのですが、それにしてはあまりにも巣が小さい。


でもいますよねぇ、蜘蛛・・・



9月4日(木)
記録・写真ともになし


9月5日(金)
前日に写真を撮り忘れたので極力早いほうがいいだろうと、また朝撮ってみました。なんだか、とても色が悪くなっている気がします。とても・・・蜘蛛が気になります・・・



9月6日(土)
蛹に気づいてから1週間たちました。蛹は大体2週間で羽化するそうなので道のりは大体折り返し地点。しかしこのクチバシのダメな感じっぷりはどう受け止めたらいいのでしょうか、背中もなんだかグレーになってしまっています。



9月7日(日)
サナギちゃんの様子はますますおかしくなってきて、毎日観察するのがつらくなってきました。お尻側の固定糸も取れてしまって、風が吹くとぷらぷらします。物悲しい姿です。お尻側の塊は何か乾燥してカサカサしたテクスチャーになりました。もう蜘蛛も住んでいない様子。最初の写真と比べ、お尻がずいぶんスリムになっているのがわかると思います。全体的になんとなくカサカサして萎んでしまっています。どうしよう。


9月8日(月)~9月9日(火)
悲しい気持ちでどうしたらいいかもわからず観察を止めてしまいました。だんなさんにお願いしてサナギちゃんを外してもらわないといけないのかもしれないとも思いはじめました。(悲しくて触れない)


9月10日(木)
家に帰って食事の支度に野菜類を切って、中華鍋を強火にかけてじゃーっと炒め始めたら突然何かハタハタするものに襲われました!

わわわわ、なになになに!と叫んで見ると、
そこには!


うわわわわ!と慌てて火を止めて換気扇も止めました。ひえー


え、サナギちゃん???

窓枠のサナギちゃんを見に行くとこんなになってました。


あらー。

と、とりあえず、中途半端になってしまった炒め物をどうにかしないとと思い、まずはサナギちゃんもといチョウチョさんを追いかけるも私なんぞに捕まるはずもなく、リビングの上の方に飛んでいってしまいました。

ドキドキしつつ再び炒め物を開始すると、またハタハタハタっと飛んできてまつわりつくのです。

あーもう、あぶないって!

困ったなーと思い、なんとなくふわふわ追い掛け回していたら、カゴの内側に止まったのでそのままそーーーーっとテーブルに移動させて、へいっとばかりに伏せました!捕獲成功!

晩御飯を完成させて、帰宅途中のだんなさんに事由を説明すると、驚きつつも餌やりを調べてくれました。砂糖水は濃度が濃いと口吻が詰まって死んでしまう場合があり、スポーツドリンクが良いとの事。お土産にお願いして帰りをまちます。

だんなさんはアクエリアスを買ってきてくれました。カブトやクワガタと違って蝶はなかなかお馬鹿さんのようで、やり方は色々工夫したのですがなかなか上手に見つけられないようでした。たまーにうまくアクエリアスを吸わせた脱脂綿に口吻の先が触れる時がありそうするとちゅーっと吸ってまた移動してしまうのです。でも細長い口吻をぎゅんぎゅん伸ばしてあたりを探っているのでまだ食べたい事は食べたいようなのです。

狭いカゴの中でとにかく暴れるのですが、上からタオルをかけて暗くすると大人しくしているようでした。


生まれたてで元気が良いせいか明るいところではまったくじっとしておらず、ろくすぽ写真も取れませんでしたがサナギちゃんはピッカピカの、それはそれは綺麗なナミアゲハになりました。なるほど、こんなに黒い所が多いので、蛹があんなにグレーっぽくなっていたのだなあ、と思いました。羽化直前は、蛹のカラを透かして羽の模様がしっかり観察できるらしいのですが、なんとなくアゲハは黄色っぽいイメージだったので、まさかあんなグレ一一色になるとは思わなかったのです。

翌朝外へ放しました。元気でね。

抜けたカラはこんな感じでした。


ティッシュで包んで取り外してみると、糸は意外としっかりしていて、殻はクシャっと弱い音を立てて粉々に崩れました。セミの抜け殻とは大分違いました。


はじめてでどうしていいかわからず右往左往しながら見守るだけでしたが、無事羽化できて本当に良かったです。




その翌日。


だんなさんが例のごとく「おきゃくさんだよー」と言いながら、コクワガタを拾ってきました。


残り物でわるいわねぇと言いながらアクエリアスを振舞いました。

いやはや。にぎやかですねぇ。千客万来。




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おまけ。蝶はどうやったらご飯を食べてくれるのか?について調べていてたどりついたページがこちら。ここによると、蝶は香りに誘引されて口吻で探る行動をするようなので、少なくともアクエリアスの香りにはそんな物質が入っていたという事ですね。でもどこにあるか見つけられなかったんだよなぁ。

面白かったのは下の方、金木犀は受粉の手助けになりにくい蝶が来ず、がんばってくれる蜂がくるような香りになっているらしい。なんと巧妙な。



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