2016年10月7日金曜日

勝沼・御坂

一人旅のチェックアウト後、夫が宿泊先の最寄駅まで車で来てくれました。駅で拾ってもらいそのまま団子を買いに行きました。



団子というより大福でしたが美味しかった!餅が柔らかくてあんこが甘すぎなくて。よもぎともろこしの2種詰め合わせ。




その後ぶどう園に行きました。ここが大当たりで!

販売用のぶどうがずらっと20種類くらいあったでしょうか。そしてその全てに試食用の粒がおいてあり、試食に全然抵抗感がない空気で、もりもり食べてしまいました。食べるのに夢中で写真撮り忘れた・・・ 

どれもこれも美味しくて非常に悩みましたが、結局買ったのはこの3房。



上が左がマスカットベリーA、右が紅ピッテロ、上が藤稔。写真がイマイチですがどれもとってもおいしかったです。

しかしこのサイズ感のおかしくなる房の大きさといったら!



上のぶとう三種と、さらに”ぶどう酒”(ワインではなくぶどう酒なのだそうです)まで買ってしまいました。結構お金つかっちゃった・・・

実はこちらでは昔ながらの手法でワインを作られていたのです。ワイナリー見学には今まで何度か行きましたが、手作業の環境現物は初めて見ました。下の写真の木おけに金属のタガがはめてあって、潰したぶどうを入れたらジャッキをかませて手で圧をかけていくのだそうです。絞りかすは一般のワイナリーの物よりだいぶ水分が多そうで、つまり雑味が少なく仕上がるんじゃないかな。10月の半ばころ、3日かけて全部仕込むのだそうです。



辛口の白、甘口の白、ロゼ、赤、スパークリングの5種類を作られていて、最後に全部試飲させていただきました。

辛口は本当に辛口だった。ここのぶどう酒は地元の人たちが自分の晩酌用に作ってるのがメインだそうで、農家のおじさんたちはもっと辛くしろっていうんですけどね・・・と説明してくださった19代目氏。

甘口、と言われた方も一般的には中辛と表現されていい味だと思う。面白いのはロゼで、メインはマスカットベリーAだそうですが、粒が痛んだりしてはねたぶどうをとっておいて、みんなロゼに突っ込んでしまうのだそうです。なので巨峰が混ざったりシャインマスカットが混ざったりする。だから年によって色味も味も変わるのだそうです。

去年の物(今年のぶどうは来年の春にぶどう酒になる)はだいぶ赤みが強いのですが、それは赤いぶどうが多く入ったからなのだだそうです。そしてお味は一般で言う所の辛口。ロゼね、はいはい、と飲んで、あ?そうなの?と思う感じの辛口。珍しいです。色味が強いだけあって、ロゼなんだけど、最後にちょっと赤のようなタンニンの余韻が残り消える、という面白い印象でした。

そして更にすごいのはこちらではぶどう酒の仕込みに参加させていただけるのだそうです!今年は予定が付かずいけないのですが、夫は一人ででも行く気になってます。どうするんだろ。

その後御坂峠の旧道にある天下茶屋へ。25年ぶりくらい?富士山には雲がかかっていて残念でした。



ほうとう屋さんになっていてびっくりしましたが、美味しかったです。昔もあっただろうか?記憶にはないのですが。



太宰治が逗留したことで有名ですが、その頃に書かれた作品がすごく好きなんです。太宰好きっていうと、えっ、って思われがちですが、1940年前後、中期の「走れメロス」「駆込み訴え」「富岳百景」とかそのあたり、彼の心が穏やかだったであろう時代の作品はほんとに物語として秀作が多いと思うのです。一般にはあまり評価されてないけど。

すっかり忘れてたけど、持ってきてた!びっくり!という事で。

「富士の頂角、広重の富士は八十五度、文晁の富士も八十四度くらい・・・


富岳百景 太宰治